Corsair Gaming K70 RGB Japanese

K70 RGB
当初予定の10月30日から遅れること約10日。11月8日に発売になりました。
Links International 正規モノのK70 RGB 日本語レイアウトです。
各社、マルチカラーLEDのメカニカルキーボードを同時期に発売する中で、どう考えても高すぎる価格設定の K70 です。
散々 Razer BlackWidow Chromaと悩みましたが、Synapseの呪縛から逃れたい。あるいは中華緑軸が食わず嫌いまたは拒絶反応が出てしまう向きには 12月5日発売予定の Logicool G910コイツの二択ですね。

現状、ファームウェアやソフトウェアにいくつか問題あります。
  • PCをシャットダウンしてもLEDが煌々と点灯し続ける問題(Forum1 , Forum2) BIOS 1.15で解消 
  • UEFIやBIOSのPOST時にやたら時間がかかるようになる問題 
  • SteamクライアントとCUE1.2.77同時実行でクラッシュする問題 
  • 使っているとLEDが無応答(点灯はしている)状態になる
    CUE 1.3.70 リリースするも解消せず
  • その際CUE側も動作がおかしくなる
  • Windows8.1で正常に動作しない問題(未確認)
この手の問題解決は、自力で何とかできるのが理想的ではあります。
ただ製品の非公開な部分に問題があるとなるとそうはいきません。
通常なら、サポートは代理店であるLinksに問い合わせるべきでしょうけど、経験則ですが時間の無駄な気がします。ましてやおkなんとかに書いても無駄でしょう。

そんなわけで、手っ取り早く海外フォーラムで調べるのがよいでしょう。
フォーラムではかなり辛辣なクレームが出ています。
LEDの件では、モデレーター?のCorsairの中の人は 「マザーのBIOSの設定変えろ」とか「新しいファームを待て」などと言ってましたが、テストしてから出荷しろやと言いたいですね。


アンボックス

Corsair らしいデザインの箱
一瞬電源か?と思うような箱。
この商品から本格的にゲーミングデバイスに参入とのことですがRazerに比べ地味な感じです。

さらに地味
とても3万円もするキーボードに見えません。



ダメな点その1:日本語マニュアルは無い

K70 RGB Japanese Manual ?
英語と謎の言語によるマニュアルが付属。
なお、CorsairのHPでも現時点で日本語ドキュメントは公開されていません。
嫌な予感がします。
日本代理店は本当に「売るだけ」で商品企画などには参加できないようです。

良い点その1:若干コンパクト

BlackWidow Ultimate 2013
K70 RGB
Gキーの無い分幅は狭い。けどGキーが無い。K90だとGキー大杉。
ちょうどよいのが無いのはなぜ?
テンキーレスのK65も検討しましたが、あちらはオンボードメモリー未搭載など若干レイアウト以外のスペックダウンがあるので却下。
まあこのサイズならテンキー付でもいいかもなあという妥協のサイズ。

ダメな点その2:かなキートップ

K70 RGB Japanese Keys
なぜか「かな刻印」付。しかもフォントも微妙。
Corsairのほかのモデルでも全部このタイプなので、日本語版を設計する人間が「かな入力」が好き、または「かな文字ってかわいい」なのかもしれません。

ダメな点その3:MX RGBスイッチが暗い

Razer Blackwidow Ultimate 2013
K70 RGB
(Maximum amount lits)
デフォルトのオンメモリープロファイルはREDでした。
鳴り物入りで登場したMX RGBスイッチは、最大光量にしてもLEDが暗い。
圧倒的に。輝度レベルはG510並です。

Razer Blackwidow Ultimate 2013
K70 RGB
(Maximum amount lits)
試しに、緑にしてみましたが暗い。
同じ露出で撮影すると BlackWidow との差は歴然です。
マルチカラーLEDって輝度確保が難しい?いや、噂では Chromaは明るいみたいだし・・・

K70 RGB
Cherry MX RGB
もしかして軸が赤いのがダメなんじゃないの?
MX RGB は基盤にチップLEDが実装されておりその上に透明のスイッチが乗っているそうですが、そいつがディフューズしちゃっている気がします。

ダメな点その4:メディアキーの位置が悪い

K70 RGB
Media keys and volume roller position.
メディアキーの位置がテンキーの直上なんですが、コイツが手前のテンキーが邪魔で押しにくいし見えない。
むしろボリュームと位置が逆だったらもう少し押しやすかったのに。
ちなみにボリュームダイヤルは G510 のそれと似ていますがかなり重めに設定されています。この辺は好みの問題かな?

ダメな点その5:デフォルトプロファイル無し

ドライバや設定ソフト( CUE )はダウンロードします。
メディア類は付属しません。
これはまあ許せますが、カラープロファイルなども全然存在しない状態なんです。
パッケージのレインボーカラーすら入っていません。

(後日追記)
Corsair Gaming に、フォーラムからピックアップされた殿堂入りのプロファイルを集めたページができてます。

一応日本語対応

ウィザード形式

UIは日本語だが、Disclaimerは英語
さっさとインスコします

いきなり起動

そしてファームアップデート

ダウン中
良い点その2:ファーム失敗してもキーボードとして機能する

はいはい
どっかのキーボードと違って、ファームアップデート失敗しても問題ありません。
なぜなら成功しているから(謎)
http://forum.corsair.com/v3/showthread.php?t=134436


良い点その3:Synapse2.0は使わなくて良い

ということでこのツール「CUE」というみたいですね。
バージョンは1.2.77ですか。

なお、プロファイルは公式サイトでは見つからないと思ったら、フォーラムにアップロードされているものをインポートして使うようです。
英語配列用のプロファイルでも動きますが、「無変換」とか「かな」とかそういうドメスティックキーは消灯しちゃうものが多いです。
たぶん、Corsairのローカライズとはそういう感じなんでしょう。


ちょっとなんとかする

K70 RGB Japanese
Replaced 'no Kana' keycap
かなの無いキートップに交換してみました。
アルファベットも少し大きくなって視認性がうp。
最初からこうしてよ。

文字の大きなキートップだったので少しは明るく見えるかと思えば全く変わりません。
ESCキーと漢字キーが隣接しており誤爆しやすかったので、クリアのR4キートップに交換。
K70 RGB Japanese
Replaced 'no Kana' keycap
(one more)

K70 RGB Japanese
Replaced 'no Kana' keycap
(two more)
改善1:PC 電源OFF で LED消灯

2014-11-15発行の BIOS 1.15 でFIX。
問題のあった 1.13 から 1.14 がジャンプしてますが、没あるいは別リージョンモデル用かもしれません。改善点は以下の通り。
http://forum.corsair.com/v3/showthread.php?t=134450
  • USBデバイスが無効またはシステムがOFFかスリープ状態時にLEDを無効化(シャットダウン時に電源供給しつづけるUSBポートを搭載したシステムのための問題)
  • キーボードがスリープ状態からシステムをウェイクアップした問題を修正しました
  • Caps/Num/Scrollキーの連射はもはやCUEの誤動作を引き起こすことはないでしょう
  • CUEタイムアウトの問題の解決
  • キーボードがBIOSモードにある間、LEDの輝度は、キープレスで変化刺せことができない問題を解決
  • ファームウェア更新プロセスと(これもカードリーダーのような遅いUSBデバイスを処理している)特定のUSBドライバとの問題を解決
  • 特定のシステム構成でCUEとSteamアプリケーションとの間で問題が解決
  • CUEでキーボードとの統合へのその他の改良

K70 RGB を接続している状態で、CUEが起動していると以下のメッセージがポップアップします。

K70 RGB BIOS 1.15

K70 RGB BIOS update fail message still shown.
しかし、CUE (1.2.77)がダメ。
BIOS更新に「失敗した」というメッセージがまだ出ます。
http://forum.corsair.com/v3/showthread.php?t=13445

K70 RGB device information BIOS version 1.15
CUE 1.2.77
なお、上記のスクショですと「ファームウェアアップデート」ボタンが存在してますが、押下するとBIOSイメージを選択することができます。
しかし、Corsairでは直接イメージを配布していないのでちょっと意味不明。
好きなBIOSに変更したり、自動更新をOFFにすることもできません。

テクニカルな話をすると、最近のマザーのACPI制御は S5ステート(電源断)であってもUSBポートに電力供給し続ける仕様です。
大方のマザー上のUEFIではこれがデフォルト設定になっています。
ですのでキーボードには電力が供給され続けます。
それでは他社のLEDキーボードがきちんと消灯する理由は、OSがシャットダウンする際にUSBデバイスに対しShutdownシグナルを送出してくれるので、それを受けて各デバイスはそれなりの制御を自デバイスに対して行っています。
K70のBIOS 1.15 以前のバージョンではこのあたりに不具合があったと思われます。

USBについて

K70 RGB
USB Plugs
このキーボードはUSBプラグが2系統あり、1つがデバイス用。もう一つが補助電源です。
接続する際に若干癖があるのでメモ。
コネクターにキーボードのアイコンがある方がデバイスです。
左右矢印(←・→)のアイコンが補助電源です。
USB2.0に差す場合は、キーボード>補助電源の順でプラグすることが推奨されています。
USB3.0の場合は、キーボードアイコン側のみでOKだそうです。
ではUSB2.0と3.0をそれぞれ接続したらどうなるのか?とかそういうことは説明されていません。

What's this?

K70 RGB
not BIOS Switch
BIOSと書いてあるのでわかりにくいですが、複数のBIOSを切り替えることができるわけではなく、ポーリングレートの切り替えスイッチのようです。
なぜハード側に存在するかわかりませんが、1が最も高速(1000MHz)です。

それぞれ、1/2/4/8 が 1000Hz/500Hz/250Hz/125Hz に対応。
Linksの商品紹介ページでは、「レポートレート」という呼称で紹介されており、「早いほど良い」みたいですね。

総評

キートップはユーザー側でもなんとかなるのですが、LEDの輝度の暗さが残念。
CUEなるソフトウェアでプロファイル作るのは相当ハードル高そう。
一方で基本機能の信頼性はまあまあ(とはいえ対Synapseとの比較)。
ロジはソフトウェアもしっかりしている印象があるので、Corsairが本気でゲーミングデバイスをやるなら、なんとかすべき点が多いことを認識してほしいですね(まあ、日本語で書いても無駄だけど)。




買いか?

マルチカラーできめ細かくしかも滑らかに動く松下のコントローラーはなかなか凄い。
これを見てしまうと Razer がおもちゃに見える。ロジがどこまで迫るか見もの。
でも、2,30分で飽きるのが難点。そこに3万円出せるか?

あと、並行モノ英語配列のほうが若干利点があるので検討すべき。

  • 代理店税が無い
  • かな刻印なしw
  • プロファイルの互換性や替えキートップの入手性が高い
  • 赤軸以外も存在する
  • CUEやBIOSがまだ未成熟
AssettoCorsa で挙動が変になる

Corsair K70 RGB
Logicool G510(マウス)
Logicool G25(ハンコン)
を接続した状態で AssettoCorsa を起動。G25キーコンフィグレーションなどを触るとAssettoCorsaが無応答になります。
その場合、K70側やCUEもおかしくなり、LEDが無反応状態になります。

K70を抜くとAssettoCorsaも正常に復帰するので、K70あるいはAssettoCorsa側の問題。
しかし、ほかのキーボード(BlackWidow Chroma/G910)との組み合わせで同様の問題は発生しません。

そのほかにも WatchDogs や The Crew などを起動した後もK70のLEDやCUEはハングしたような状態になります。
このことから最近はK70の使用を中止(なるべく不具合に晒されたくない)しています。

結論:現状LEDで遊ぶことが(しばらくの間)できるキーボード機能付き電光掲示板
まともに使える代物ではない。